あなたは「介護甲子園」って知ってますか?

 

簡単に説明すると、自分たちが働いている事業所の取り組みや思いを発表して、介護職の素晴らしさを再認識してもらう、という一大イベントなんです。

 

介護福祉士・坂野介護福祉士・坂野

実は私も全然知らなかったんですが、知人がこのイベントを見学して、とても感動したという話を聞いたことがキッカケで、介護甲子園を知りました。

非常に斬新なイベントでしたので、介護業界で働く人や、それ以外の人にも是非知ってもらいたいという想いから、今回は介護甲子園の「見学レポート」を知人に書いてもらいました(*^^)

 

2016年12月8日、介護甲子園が行われました

介護甲子園

今回で6回目を迎える介護甲子園ですが、今まではすべて東京の日比谷公会堂で行われていたそうです。

 

今回は関西初とのことで、グランキューブ大阪で行われましたが、会場に着いてすぐその異常な熱気に圧倒されそうでした。

 

立派な会場、集まっているたくさんの人たち、そしてその人数だけでなくそのひとりひとりの顔が生き生きとしており、かつ誇らしげな笑顔に満ちているのです。

 

初めて見学する「介護甲子園」でしたが、甲子園とは名ばかりで小さなイベントだろうと予想していた私はただただ驚いていました。

 

介護甲子園を開催する意義

「介護甲子園」とはそもそも何なんだろうか?

 

そう思って、さっそくオフィシャルウェブサイトから調べてみると…

 

「介護甲子園」とは、介護から日本を元気にしたいという想いを持つ全国の同志により開催される、介護業界に働く人が最高に輝ける場を提供するイベントです。

全国からエントリーされた介護事業所のうち、独自の選考基準で選ばれた優秀事業所が、年一回、数千人が集う大会場に集結します。

ステージで事業所の想いや取組みを発表し、介護甲子園における日本一の事業所を決定します。

介護業界で働いている人が夢や誇りを持てるイベントにすることを目指し、介護ってカッコいいと憧れる職業であると賞賛していただく機会とします。

 

と、書いてありました!(*^^)v

 

なるほど!介護甲子園というイベントは、

 

■自分たちの事業所がどう輝いているか伝える場

 

であると同時に、見学者には、

 

■介護を自分のこととして受け取り、どんな介護を選びたいか?を真剣に考える機会になれば

 

ということで始まったものなんですね!

 

介護甲子園決勝出場までの道のり

6回目を迎えるこの回は、参加事業所の数は過去最高の4812事業所がエントリーしました。

 

その中で二次予選に進んだ事業所は30事業所。

 

日本全国を5ブロックに分け、各ブロック6事業所が選出されました。

 

画像引用元:介護甲子園オフィシャルウェブサイト

そこからの二次予選での選考方法は非常にユニークです。

 

事業所の職員自らが撮影・編集した動画をインターネットで公開し、一般の視聴者による全国投票で行われたんです。

 

限られた時間内で自分たちの魅力をアピールすることで、各事業所も「自分たちが大切にしてきたことは何かを見直す機会になったに違いありません。

 

そして各ブロックから1事業所が選出され、計5事業所が今回の決勝に進みました。

 

その5事業所とは

 

■さわやか立花館(福岡市)

■デイサービスどき2号館(丸亀市)

■森の家みのり荘(福岡市)

■北大阪れんげケアセンター(守口市)

■ポラリスデイサービスセンター八尾老原(八尾市)

 

です。

 

二次予選に選ばれた30事業所の中には、富山や愛知、東京や神奈川、新潟や北海道など全国からの参加があったのですが、奇しくも福岡県と大阪府から2事業所が選ばれていました。

 

当日のプレゼンテーション

さわやか立花館

画像引用元:さわやか立花館

 

「さわやか立花館」は、利用者も施設運営者の一員であり、共同体らしさが事業所の魅力になるという思いで運営されています。

 

ガイドブックによると、館内案内から入居者の方によってなされ、きちんと名刺を渡してとお仕事然として行われています。

 

また職員会議にも入居者が参加し、レクリエーションの計画に関わっているそうです。

 

居酒屋レク、夜の外出レク、ご家族を交えての温泉旅行などさまざまなことに挑戦されていますが、プレゼンで特に強調されていた事業所内で葬儀を実施するかどうかを決定するまでの過程は、圧巻でした。

 

賛否両論が出るであろうデリケートな問題です。

 

でも普通の共同体であれば自然に存在する冠婚葬祭のイベントはあってもよいのではと、私自身も考え直させられました。

 

それほどに熱いプレゼンでした。

 

デイサービスどき2号館

画像引用元:デイサービスどき2号館

 

「デイサービスどき2号館」は、365日、日替わりで行われるレクリエーションの豊富さが魅力の事業所ですが、今回のプレゼンで強調されていたことは農業事業が立ち上がったことです。

 

言い出したのは厨房の職員からだそうで、職員が野菜を育て、買い物に行けない高齢者に施設内で新鮮で美味しい食材を変える仕組みになっているとのことです。

 

私自身、地元の農家で作られた野菜を購入するのが大好きです。

 

そんな体験が施設利用となった後も続くのであれば、きっと嬉しくそして楽しみなことでしょう。

 

たまに訪れる家族のために、施設内で作られた野菜を購入し、持って帰らせてあげることもできます。

 

入居前にもしてきたことが続けられる素晴らしい取組みだと思いました。

 

森の家みのり荘

「森の家みのり荘」はなんといってもその自然の豊かさが魅力の事業所です。

 

サルやイノシシも遊びに来るという森の中にあり、自然を感じてもらえるよう窓を大きくしたり、天気のいい日には外にテーブルを出したりと自然を感じる取組みを心がけてらっしゃいます。

 

食事は玄米食中心ですべて手作り。

 

ここに入ってから大食漢になったという声も聞かれるほどです。

 

利用定員が29名に対してスタッフが19名という規模で手厚い介護が受けられる事業所は、介護をお願いする立場からすれば理想的な環境でしょう。

 

安心して自分の親を任せられると感じました。

 

北大阪れんげケアセンター

画像引用元:北大阪れんげケアセンター

 

「北大阪れんげケアセンター」の特徴は、スタッフに外国人をたくさん雇っていることです。

 

介護職員としてだけでなく事務職員としても外国人がたくさん在籍しています。

 

30名のスタッフのうち外国人スタッフは10名。

 

なんと3分の1です。

 

よって、この事業所に限っては人材不足の不安はありません。

 

気になるのは言葉の壁ですが、グループの中で日本語学校を運営しているため、基本的な語学力を学ぶ環境は用意されています。

 

プレゼンでは、初めは外国人だからと毛嫌いしていた利用者が最後にはその外国人スタッフの熱心さや真心を一番理解していたという例が発表されていました。

 

その魂の叫びとも感じ取れる震える声での発表に、つい涙した見学者も見られました。

 

そんな感動と共に、人生の最後のときに新たな世界との出会いがあることは、高齢者の方々にとってよい刺激になる部分もあるのではと思いました。

 

介護そのものは対・人間にすることですから、国籍の違いはないものですし。

 

ポラリスデイサービスセンター八尾老原

「ポラリスデイサービスセンター八尾老原」のよい点は、介護度を進行させないための努力を惜しまないことです。

 

ここに入居する前はあまり歩けなくなっていた人でも繰り返し行われるリハビリの結果、以前通りに歩けるようになったとの事例が発表されていました。

 

自分でできる、歩けるということは本人にとって何よりの自信になります。

 

表情も明るくなります。

 

本当は家族がその役を担えばよいのですが、一日中の生活の中で共に並んで歩き、ゆっくりした歩行に付き合うことなど到底無理です。

 

そこを丁寧に何度でしてくれる事業所なのです。

 

家族がしてあげたいこと代わりにしてくれる、ありがたい方針だと思いました。

 

さて、優勝した事業所は?

「北大阪れんげケアセンター」でした。

 

プレゼンの見事さ、今まさに介護業界が抱える人材不足という問題を解決する取組みが評価されてのことでしょう。

 

プレゼンの最後にそれぞれの国の民族衣装を着て、はずかしそうに、でも誇らしげにステージに立っていた外国人スタッフの姿が思い出されます。

 

日本人の代わりに大事な人の大事な最後の面倒を見てくれる彼らに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

生まれた国によって国籍は決まりますが、亡くなった後に国籍など関係ありません。

 

ただ一人の人間としてこの世を去る、そのことを実感する機会が得られることにもなり、人材不足解消を超えた大きな意味があるのではと考えたりもしました。

 

優勝にはならなかったそれぞれの事業所も、4812事業所から選ばれ決勝に進んだだけあって、取組みのどれもがそれぞれに魅力あふれるものでした。

 

そして何よりもその熱い思いに圧倒されました。

 

介護職の魅力を再認識!介護求人のよりよい処遇改善で、介護転職組にも明るい未来

介護の仕事は3Kとも呼ばれ、誰もがやりたい仕事ではないかもしれませんが、これだけやりがいを感じられる職場であるなら、介護転職組も含め、望んで入って来る人材もきっと多いことでしょう。

 

介護関連資格(介護職員初任者研修【旧ホームヘルパー2級】、介護職員実務者研修【旧ホームヘルパー1級】、介護福祉士、ケアマネジャー)も整備されていますし、介護の求人を取り扱う介護転職サイトも充実してきました。

 

今は介護の仕事も、医療施設である病院勤務からホームヘルプ(訪問介護)、サ高住やケアハウスといった軽費老人ホーム、ショートステイ、介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)、通所介護(デイケア・デイサービス)など、介護職で働く人の活躍の場も多岐にわたっています。

 

あとは介護求人における待遇改善さえ進めば、決して暗い未来ではないと思いました。

 

とにかく素晴らしいイベントで、自分が持っていた先入観を変えさせられる気持ちよさを味わい、心から清々しい気分になることができました。